はじめてのAAA Y‐graftにて。恐怖体験。記事一覧へ
某日、はじめてY-graftの麻酔をさせてもらえることになりました。
ドキドキ緊張しながら麻酔導入開始。経食道エコー(TEE)、CVも入れて、I先生に手取り足取り教えていただきながら手術開始。炎症がひどくどうやら瘤の周辺が癒着して剥離が難しいらしい。なんだか出血増えてきてる。。。血圧60台。volume足りないからポンピングしないと!とりあえずネオシネジンいれておこう。『I先生、呼んでくださーい』と看護師さんにお願い。あれ?ST下がってる。かと思ったらST急上昇!TEEでは下壁から側壁の動きが悪くなってる!hypovolemiaでACSですか!!ポンピングで急速輸血。とりあえず心電図は元に戻りました。心臓の動きはさっきよりはいいけれど少し悪くなってる。
1時間後。術者から『もう出血はあまりしないと思います』の声に一安心。
あれ?またST上がってる?ほんの1分くらいで元に戻る。気味悪いです。。。結構volumeもいれて今は血圧100くらい保ってるからだいじょうぶかな。
。。。
30分後、sustained VT発生!Vfへ!!
緊急事態発生!外科の先生方には心臓マッサージをお願いし、麻酔科Drを集めてDCの準備!エピネフリン入れたりDCかけたり。なかなか元に戻らない!リドカイン,Mgもiv。DCは全部で4回。やっと洞調律に戻りました。T波は陰転化。TEEでは気絶心筋のようで全体的に壁運動低下傾向。
その後、手術は終了。
電解質異常やBGAは問題ない。術者と相談して抜管を試みることにしました。抜管後問題なくICUへ。
はじめてのY-graft。恐ろしい経験でしたが勉強になりました。
患者さんは冠動脈の有意狭窄はなく、近々退院予定らしいです。Ca拮抗薬の内服開始になっています。手術侵襲によるspasmだったのかな。
番場 景子