Division of Anesthesiology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences

新潟大学大学院医歯学総合研究科

麻酔科学分野

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手術麻酔管理

 当院では現在15の手術室が存在し、年間約8,500~9,000例、うち麻酔科管理症例は約5,500~5,800例の症例を行っています。泌尿器科・消化器外科・婦人科・呼吸器外科などで積極的にロボット支援下手術が行われ、ハイブリッド手術室では胸腹部大動脈に対するステントグラフト内挿術や経皮的大動脈弁置換術(TAVI)・僧帽弁置換術(MitraClip)、経皮的心房中隔欠損閉鎖術(Amplatzer)が施行されています。
 当院にはすべての診療科がありますので、ほとんどの手術に対する麻酔管理を経験することができます。麻酔科専門医を取得するために必要な、経験必須症例数については、心臓・大血管手術の麻酔症例が約360例(うち開心術約200例)、6歳未満の小児症例が約350例、脳神経外科の麻酔症例が約300例、分離肺換気を要する胸部外科の麻酔が約220例、帝王切開などの分娩の麻酔管理が約150例となっています。以下、当院に特徴的な手術麻酔管理について説明します。

心臓血管外科の麻酔

 当院で行われる心臓大血管手術について、いずれの麻酔管理も日本周術期経食道心エコー委員会(JB-POT)および心臓血管麻酔専門医の有資格者による助言が得られる環境で行い、術者と協力しあいながら麻酔管理にあたっています。心臓大血管手術の麻酔が一通りできるようになるだけではなく、経食道心エコーの所見の読影と各医療スタッフとの所見の共有や、血管作動薬や凝固因子の使い方、水分バランスの管理など懇切丁寧に教えますので、力がつく環境にあります。

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脊椎・脊髄手術の麻酔

 脊椎手術の中でも、特発性側弯症に対する矯正固定術や脊髄腫瘍摘出術など、脊髄機能をモニタリングで監視しながら行わなければならない手術があります。当院では、麻酔科医が中心となって術中の脊髄機能モニタリングも担当し、機能予後の改善に大きく貢献しています。また、本法を用いた臨床研究も積極的に行っています。

移植手術の麻酔

 当院では腎移植術(生体・献腎)や膵腎同時移植術が行われています。これら移植手術の麻酔管理についても、比較的早期より携わることができます。また、水分バランスの管理に経食道心エコーを用いており、トレーニングの一環となります。

小児麻酔

 新潟県には2021年時点で小児専門病院が存在しないため、当院には手術が必要な多くの小児患者が集まります。先天性心疾患に対する心臓大血管手術は県内ではほとんどの症例を当院で行っております。その他、小児外科の大手術、脳神経外科(二分脊椎手術、脳腫瘍摘出術など)、泌尿器科(尿道下烈手術など)、整形外科(特発性側弯症手術、骨延長術など)、形成外科(口唇裂・口蓋裂、多指・多趾症手術など)、眼科(斜視手術など)の小児麻酔や小児科からの中心静脈カテーテル挿入依頼など、症例は種類・数ともに豊富です。新生児の緊急手術もあり、小児麻酔の研修を行うのに十分な環境にあります

産科麻酔

 当院では、リスクの高い合併症を抱える帝王切開症例が集まります。母体搬送やそれに伴う超緊急の帝王切開も行われるため、様々な状況下での帝王切開術について十分に経験することができます。合併症を抱える妊婦に対する無痛分娩の依頼にも対応しています。

その他

 脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、高次救急災害治療センターから搬送される多発外傷の手術なども数多くあります。
 大学病院の特性として重症患者の麻酔をする機会が比較的多く、日々新鮮な気持ちで研修をすることができると思います。また、大学病院ならではの豊富な設備や、比較的新しい手技を積極的に活用し、より質の高い麻酔管理を目指しています。

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最後に

 当院の麻酔科は、科内のチームワーク、手術室スタッフとの連携は自慢できると思っています。また、様々なライフスタイルを持つ医師がそれぞれ働きやすい環境を整備しています。
 少しでも興味を持たれた先生がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡・ご相談下さい。

(大西 毅)